9月5日(木)城東区役所での万博についての市民団体協議の報告 田中秋子
横山大阪市長ならびに吉村城東区長宛に「平和と民主主義をともにつくる会・大阪」と「夢洲カジノを止める大阪府民の会・城東」が5月に共同提出していた「質問と要望書」への回答を受け、9/5に市民団体協議が城東区役所で持たれた。
大阪市万博推進局から企画部や機運醸成推進課、整備調整課などの課長代理や、市教委指導部指導主事など7名の大阪市職員が並ぶ。対する市民、府民は37名。
主な論点は、二つ。
一つは、3/28爆発事故を起こした夢洲は非常に危険であり対策を立てたと万博協会は言うが、メタンガスや有害物質は出続けており、危険であることへの認識を問うこと。二つ目は無料招待と小中高校生を万博遠足へ行かせることを城東区役所や市教委として課題や危険性に向き合わず、無自覚に推進の旗振り役を担っていること。まず、会代表の山川よしやすさんより、この協議の場に本来参加すべき城東区長が来ていない、また7月の回答文書全般も一例として「城東区独自での万博会場の土壌に関する区民への周知予定はありません」とあるように区民の安全を担うべき行政が、区民の不安や疑問に真摯に応えようとしていないと鋭く指摘。
参加者より、3月の爆発事故への万博協会の対応は隠蔽体質が如実に表れている。爆発事故の1区は本来人の立ち入り禁止区域であり、そこを団体休憩所に子どもたちの昼食場所になどありえない。1区のメタンガスのガス抜き管の間隔は100M、これで安全なのか。参加した方から口々に夢洲の危険性や地震などの災害対策の不備などを指摘する。大阪市の姿勢を問われ、「100%安全であるとまでは言えない」との答弁に、それだからこそ、大阪市が市民、区民の声を受け、万博協会を指導し情報開示させるべきと迫った。
また、4億2000万円の費用で、突然浮上し作成途上の「巨石パーゴラ」の呆れる危険な建造物にも参加者の批判が相次いだ。これについても安全確認はされていると答えるが、市民への情報提供を求めるも返答は「組織としての判断となるので」と検討することも拒否する頑なな姿勢に終始。
後半は万博遠足について。区内在住の保護者や、小学校低学年の孫2人の祖母の立場で、この遠足について感じている疑問や不安などの発言がされた。「教職員団体が中止すべきと申し入れしている。プロの先生が言っているのにまた、安全と言い切れないのになぜ行うのか」「責任は学校と言われても校長先生自身会場の危険性についての情報をよく知らない方もおられる。なぜリスクの高い場所にあえて子どもたちを連れていくのか、教育的な意味があるのか」など当事者家族の切実な思いを伝える。
市教委は、この招待事業は府教育庁の責任で実施されるもので、市は府に協力し校長などに情報提供やサポートする立場だと自らの責任を棚上げする姿勢。また、現場の校長先生が一番困っているのは、交通手段の確保。メトロなら混雑での安全確保の不安。また、二つ目は「何が学習できるのかが現時点ではっきりしていないこと」との回答に教育的意味もない遠足だとの認識を市教委自身も自覚していることをはしなくも露呈。
2時間の協議では、時間不足で発言し足りない方も多くいたが、政令市で区に対し、要望書を出し協議の場を持ち、区民や市民の声を直接行政に届けることの意味の大きさをまとめの場でも確認した。37名もの参加で、区民、府市民は本当に怒っている。行政はしっかり私たちの命と安全を担保するための仕事に邁進してもらいたいという思いを伝えることができたのは大きな成果だ。今後もこうした活動を拡げていきたい。