以下、要請文を転載
寝屋川市長 広瀬慶輔 様
寝屋川市教育長 高須郁夫 様
夢洲カジノを止める寝屋川市民の会 代表 東谷 光博 （個人情報は省略）
寝屋川市内の児童・生徒を2025年大阪・関西万博に引率・見学する学校行事を企画しないよう求める要請書
市民の生命及び市民生活を守るため、また子どもたちが健康で健やかに成長できるよう日夜ご尽力いただいている市長、教育長および学校関係者の皆様に敬意を表します。
今年元日に北陸地方を襲った大地震により、多くの方の命が奪われ、4カ月たつのに、未だたくさんの方々が避難所などでの生活を余儀なくされています。生活に必須の水道が復旧していないという家も多数あります。そのニュースに接するたびに、大阪・関西万博（以下万博）に巨額の税金や資材、建設作業員などの人材を投入することは間違っているのではないか、震災復興を最優先事項にして取り組むべきではないか、と考えます。また、世論調査を見ても、「万博の機運が醸成される」どころか、「万博に行きたくない」の声の方が上回っているのが現実です。こんな万博は中止すべきです。
また、万博には様々な問題点が浮かび上がっています。今や期限内にすべてのパビリオン、特に万博の“華”と言われる海外パビリオンが完成することは不可能であることは、吉村知事自身が認めている所です。そんな万博に行きたいという希望者が少ないのは当然のことです。その穴埋めに子どもたちを連れていけ、となっているのは、子どもたちをあまりにもバカにしています。
3月28日に万博会場で、可燃性ガスによる爆発事故が起こりました。この事故で、コンクリート製の床およそ100平方メートルが吹き飛びました。幸いにしてけが人はいなかったとされていますが、もし開催期間中に発生していたとすれば、どうなっていたことでしょう。もともとメタンガスなどの可燃性ガスが発生することは国会でも指摘されていたにもかかわらず、万博協会はまともな対策を行いませんでした。これは手抜き工事の“氷山の一角”です。このような危険な所にあえて児童・子どもたちを連れていくことが、本当に子どもたちのためになるでしょうか。
また、子どもたちを引率していく際にも、様々な問題が存在することが指摘されています。見学する時期が集中する問題、子どもたちが乗るバスが限られる問題、駐車場からパビリオンまでの距離が長いという問題、昼食場所が限定される問題等々、子どもたちや引率される先生方に大きな負担をかけることは必至です。
日本列島は、今年の能登半島地震を見るまでもなく、いつどこで、大きな地震が起きてもおかしくない地震列島です。南海トラフ地震の脅威を身近に感じている方も多くなったと思います。「30年以内に70％以上の確率で起きる」と言われる中で、もし大地震が起きれば、万博会場の夢洲は「陸の孤島」になります。避難ルートは夢咲トンネルと夢舞大橋の二つのみ。万が一の場合に、子どもたちの命に関わる重大事故を引き起こしかねません。
その他、2億円トイレの問題、人体に有害なPCB等が大量に埋められている問題、希望するパビリオンが選べない問題、等々数え上げればきりがありません。
このようなリスクを冒してまで、寝屋川市内の小中学校から児童・生徒を引率・見学させる必要は全くありません。
そもそも、遠足などの行事は、学校や学年の先生方が主体的に、児童生徒・保護者の意向も踏まえつつ、学校裁量で決定されているとうかがっています。子どもたちが、まるで「万博参加人数増のコマ」のように扱われることを危惧しています。知事の意向のもとで、府民の税金を使って、子どもたちを引率する行事を企画されないようにしてください。
万博開催予定まであと1年を切っていますが、皆がもろ手を挙げて万博開催を待ち望んでいるとはとても言えない状況です。大屋根リング一つとってみてもそうではないでしょうか。多額の税金を使って強行する意味があるのか、カジノのための万博ではないのか、という疑念が湧いて出ています。当初宣伝されていたほどの経済効果もなく、かえって赤字を拡大するだけで、しかもその赤字を誰が補填するか、国と大阪府が責任のなすりつけあいをしている始末です。そのような状況下で、寝屋川市が積極的に万博推進の宣伝に一役買うことは、かえって市民の不安・反発を招きかねません。こんなキャンペーンに安易に協力するべきではありません。
以下、要請します。
１．万博を中止・延期するよう大阪府および万博協会に申し入れて下さい。
２．万博が強行されたとしても、寝屋川市内の小中学生を万博に連れて行かないで下さい。
３．学校行事は行き先や内容などは、学校の裁量で決めるように指導して下さい。
４．「万博気運醸成」キャンペーンに協力しないで下さい。
ここまで
