<報告> 9/30 「万博未払い問題」対政府交渉および院内集会

撮影 八木正行さん

この交渉および集会に、共同主催者である「府民の会」から八木正行さんとかわすみかずみさんの2名が参加した。そのうちの一人である「かわすみ かずみ」さんのレポートおよび写真を以下に掲載します。(最下段に全文掲載)

被害当事者の高関さん

辰巳議員

大石議員

尾辻議員

在間弁護士

<レポート全文>

大阪関西万博未払いを許さない院内集会に参加
       かわすみかずみ


9 月30日に衆議院第2議員会館で行われた「大阪関西万博未払いを許さない院内集会」に参加。フリージャーナリストの横田一氏や幸田泉氏、東京新聞記者を含め、10社ほどのメディアが見守る中、4人の当事者が発言した。


13 時半からの経済産業省、国土交通省との交渉では、問題解決が一向に進まないことや、官僚的な答弁に終始する省庁の職員に苛立つ当事者や支援者の姿も見られた。交渉には衆議院議員の尾辻かなこ氏(今回の集会のセッテイングもしてくれた)や辰巳コータロー氏、大石あきこ氏、元議員の清水ただし氏も参加。時間を超過して議論が続いた。


院内集会では、初めに経産省、国交省の職員に当事者から要望書を手渡した。マルタ館を担当したAさんは、「もう二度と辛い思いはしたくないので、よろしくお願いします」と頭を下げた。
手交後、他の職員は帰っていったが、経産省の商務·サービスグループ博覧会推進室国際室長の菅野将史氏は、「あと50分聞いていきます」と再度着席した。
被害者からの訴えでは、Aさんから、「自分たちは、誰もやりたがらない仕事に挑戦しました。私たちが工事を命がけで完成させたから、万博は開幕できたんです。もっと称えられるべきなのに、大きな被害を受けて、出口もなくさまよっています」と解決策もないまま放置されている現状を訴えた。Aさんは未払問題は深刻な国際問題であり、もっと知られるべきだと主張した。
アメリカ館を担当したBさんは、「万博で色々な人の笑顔を見られたことは嬉しいが、未払いで苦しむ人がいる。声を上げられずにいる人もたくさんいると思う。未払い問題についてみんなで考え、解決策に導いてほしい」と語った。


初からこの問題を追い続けるフリージャーナリストの西谷文和氏がこれまでの経緯を振り返り、まとめた。9月の時点で11カ国の未払いが発生。被害総額は十数億にのぼる。そのパターンは①アンゴラ、アメリカの下請け倒産·持ち逃げ、②GLのような元請けの未払いに分かれる。
GL 社に2度突撃したが、2度とも門前払いだった。8月には事務所はもぬけの殻になって、どこに移転したかも分からない状況となった。
GL社は日本に来た当初、梓設計に間借り。梓設計は大屋根リングの設計をプロポーザル方式で勝ち取るが、審査員だった藤本壮介氏がなぜか設計者として紹介されている。
フランス·リベラシオン社の 西村カリン記者はこのほど、フランス国内でGLイベンツの日本での未払いを報じた。西村記者のもとにはGL社から、「名前を出さないでほしい」と何度も連絡が来るという。GL社はパリの国立競技場の指定管理を30年契約で受託した。フランス国内で今後、GLの未払問題は広がるとみられる。
GL社の設立は2017年。翌年にはアジア競技大会が愛知で行われることが決まった。同年大阪万博も決定。27年の国際園芸博覧会にもGLが参加予定だ。日仏のメガイベントが交代交代に行われることに、違和感があると、西谷氏は言う。


労働とサポートセンター·大阪の在間秀和弁護士と藤原航弁護士は万博協会との2度の交渉に参加し、アンゴラ館の被害者とともに闘った。在間弁護士は、協会が「気の毒だと思う」と発言したことについて、他人事のように発言していると怒りを顕にした。協会側は基本的に、自分たちに責任はないという立場で曖昧な回答を繰り返した。唯一明快に答えたのは、「立替払いはしない」ということだけだった。
また、協会内の「持続可能性局」について、立派な人権方針などを掲げているが、リーフレットなどをデータとして保存しているだけで、活動していなかったと訴えた。
藤原弁護士は、持続可能性局は法律遵守のチェックや救済の責任があるにも関わらず、何も行なっていないという。契約を盾に遅延損害金をせびる業者や海外のイベント会社が元請けになっていることは問題だと述べた。
2人が所属する労働者弁護団は未払い問題について声明を出した。
今後はNPC(「OECD責任ある企業行動に関する多国籍企業行動指針」の解決を行う窓口)に問題提起して国際問題にしていきたいと語った。


また、全国商工団体連合会の竹村考史さんは、9月29日に行われた万博関連ユニオンの会見内容を
紹介し、労働者の権利を守る闘いを続けていくと宣言し、集会を閉じた。

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