「万博会場9月・10月の有毒ガス濃度」12/25 万博協会発表-ガス抜き管から有毒ガスが激しく排出ー

日本国際博覧会協会は12月25日に9月、10月の会場内の有毒ガスの発生状況を報告した。
https://www.expo2025.or.jp/news/news-20241225-03

3月28日のメタンガス爆発により、夢洲におけるメタンガスの発生が広く知れ渡り、現在、高額の予算をつけて建物内と地下ピットでの対策工事が行われている。万博協会の報告は「それらの工事により、建屋内、地下ピットでのガス濃度は基準値越えは少ない。これからも対策工事を進める」というニュアンスでまとめられている。しかし、参考資料として掲載されている「ガス抜き管のガス濃度測定結果」を見ると、二酸化炭素を除いたメタンガス、一酸化炭素、硫化水素、アンモニアの濃度は基準値超えが続発している。特定の管では複数の有毒ガスが基準値超えで排出されている。それらのガス抜き管の排出口(10月時点)は、万博に招待された子どもたちがバスから降り立つ「夢洲第2交通ターミナル」やエントランスに向かう道沿い、西エントランス棟自体、屋外イベント広場、お弁当広場に存在している。

これらのガス抜き管は現在、地上約2.5mの高さの煙突型であるが、今後、地中内を這わせて会場の端から排出させる計画であるとの情報も以前に伝聞している。地中内のガスは出続けているので、排出管の最終の状態でのガス濃度はいかがなものか。これまでのガス濃度のデータの発表は2,3カ月遅れだ。開幕時に来場者にガス濃度が知らされるのだろうか。
万博会場への立ち入りは厳しく制限されていて、一般市民が安全性を確認するために現地での確認をすることは難しい。

12月22日に衆議院議員の辰巳孝太郎さんたちが万博の建設現場を視察した様子を新聞赤旗(2024年12月23日)が報道している。その中で「辰巳氏は、ガス抜き管は付け替えなどが行われており、最終的にどういう形になるのか設計図を見ないと安全を確かめようがないと資料を求めた」と報じている。
しんぶん赤旗(2024年12月23日)
https://www.jcp.or.jp/akahata/aik24/2024-11-23/2024112313_01_0.html
万博協会および経済産業省は、国会議員に要請されてからではなく、来場者に向けて有毒ガスの情報を迅速にそして正確に知らせるべきだ。

<夢洲2区の有毒ガス検出結果の報告はない

一方、夢洲2区のパビリオン等での有毒ガスの検出結果は報告されていない。万博協会は液状化についての説明で「2区の敷地は粘土質のもので埋められており、液状化をしない」と説明してきた。この粘土質のものとは「浚渫土」であり、有機物を含んでいる。そのため、1区同様に有毒ガスが発生することは容易に考えられる。検出作業をしていないのか、検出していても公表しないのかは不明だが、2区のパビリオンや構造物は地表を覆うので、出てきたガスが拡散されずに濃縮され、どこか(地下ピットなど)に溜まる危険性があるのではないか。2区の各パビリオン、建造物でも有毒ガスの発生状況を測定し、公表すべきだ。

<9月・10月の「1区ガス抜き管配置図」>

メタンガス濃度(ガス抜き管9月・10月)>

9月・10月期にメタンガスが基準値オーバーした場所 → 交通ターミナル、イベント広場ステージ横、西ゲート広場、フューチャーライフエクスペリエンスエリア

<一酸化炭素濃度(ガス抜き管9月・10月)>

9月・10月期に一酸化炭素が基準値オーバーした場所 → 交通ターミナル、西ゲート広場、イベント広場ステージ横、西エントラス棟、モビリティーエクスペリエンスエリア、西ゲート南、フューチャーライフエクスペリエンスエリア

<硫化水素(ガス抜き管9月・10月)>

9月・10月期に硫化水素が基準値オーバーした場所 → 交通ターミナル、西ゲート広場、イベント広場ステージ横、西エントラス棟、モビリティーエクスペリエンスエリア、フューチャーライフエクスペリエンスエリア、エントラス広場営業施設、ギャラリー催事施設棟、イベント広場、お弁当広場

アンモニア(ガス抜き管9月・10月)>

9月・10月期にアンモニアが基準値オーバーした場所 → 交通ターミナル、西ゲート広場、イベント広場ステージ横、西エントラス棟

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