5/20 大阪市教育委員会に請願書を提出

万博遠足に行きたくない児童・生徒の学習権の保障にかかわる請願書

5月20日午前、当会メンバー8名で大阪市教育委員会総務部事務局に「万博に遠足に行きたくない児童・生徒の学習権の保障にかかわる請願書」を提出した。

当会では昨年からこれまで4回、府下の万博遠足招待対象校に万博会場の危険情報を提供している。今年4月11日からはメンバーが地域の学校に、「4月8日に発送した情報が届いて、内容を確認していただいていますか」「万博遠足に行かれる予定がありますか」について電話で話す活動を行っている。このような活動やマスコミ・SNSでの「万博会場での児童・生徒の様子を伝える発信」を通じて、児童・生徒の安全が危惧される状況が数多く確認されている。そのような中、当会の活動を知った保護者の方からホームページの問い合わせフォームから「子どもの通う小学校(大阪市立)が万博遠足を実施するが、心配な点など尋ねる雰囲気ではなく困っている」という相談があった。ご本人に当会メンバーが連絡を取り、具体的に尋ねたところ、「学校が万博遠足の実施方針を固く決定していて保護者の意見を求める雰囲気ではない。もし万博遠足に行かなければ、欠席扱いになる。学校との今後の関係を考えたら学校の方針に反する意見を言うのが憚れる。自分が特定されない形で府民の会にサポートしてほしい」という内容だった。

保護者が万博遠足に抱く不安を知ろうともせず、計画を進める中では、保護者は学校に不安を打ち明けることは難しい。そのような状況下、学校に思いを伝えることができず、万博遠足に行かない場合、「欠席」となってしまうのは、学習権の保障に反する事態である。当会の電話での聞き取りの中で、「万博遠足は教育委員会の指導の下、行う」という大阪市立の学校の管理職の言葉が複数件あったため、教育委員会の方針の影響の大きさを実感している。

教育委員会は、学校の万博遠足の受け止めや、「万博遠足に行きたくない児童・生徒がどのような状態でいるのか」の実情を把握しているのか、万博遠足に行かない児童・生徒への学習保障を学校側に促しているのか、について確認し、これらについて対応を求める緊急行動が必要であると判断し、実施した。

教育委員会総務部事務局前の廊下で請願書提出に至った経緯や請願の趣旨について説明した。その後、参加した当会のメンバーから、地域での電話かけからわかったこと、万博遠足の実施状況を知って危惧していることが伝えられた。

◆「以前、修学旅行の引率時、子どもの体調が急変した体験がある。万博会場での子どもの様子を見ると非常に心配している」

◆「炎天下の夢洲駅前で乗車時刻まで地べたで何十分も待機させられている児童たち」の写真を掲げ、市内のメトロのホームでは遠足の児童たちが涼しい駅構内で待機しているのに、なぜ夢洲駅構内の広いスペースで待機させないのか理解に苦しむ。引率者は誰の指示にしたがっているのか。

◆児童たちがいる地べたは夢洲2区であるが、ここからもメタンガスなどの有毒ガスは排出されている。ガスの排気を妨げないように2区の地面はガスが抜気できるような舗装を施している。そのような地べたに児童たちを長時間、待機させることは健康上、危険だ。状況認識が低すぎる。教育委員会は会場の危険性を認知し、学校に伝えているのか。

◆西エリアにガス抜き管が子どもたちの手が届くところに林立している。「危ない。さわるな」の表示もない。このような状況を認識しているか。万博協会に対処するように求めるべきではないか。

◆「万博遠足に行かない保護者が学校側に学習の手立てについて相談すれば、学校は対応するはず」という発言が教育委員会事務局からあったが、管理職が万博遠足の実施を固く決めている雰囲気の中では、行かせたくない保護者は、相談することはハードルが高い。遠足実施の場合の配慮としての参加しない家庭の保護者の意見のくみ上げを学校側ができているのかを教育委員会が把握すべきではないか。

◆八尾市の知り合いの子が万博遠足に行きたくなくて休んだ。代わりに保護者が半休をとって、午後から生駒遊園地に連れていったという。普通の遠足なら行けたのに。万博会場の危険性を軽く見て、万博遠足の実施を推進することの重大性を認知してほしい。学習権保障は重い。

大阪市教育委員会に提示した書類

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